日当たりのお話

西日があたる部屋は暑いからダメ
ベランダが南向きのお部屋を探しなさい・・・
って、言われたことありませんか?

太陽は東から昇って、正午に空の一番高いところに来て、夕方には西の空へ沈んでゆきます。東から西へ、太陽はいつも同じ動きをしています。また、夏は太陽は空の高いところを移動しますが、冬は低いところを移動します。夏は涼しいほうが快適で、冬は暖かいほうが快適です。つまり、夏は太陽の光が室内に入らないほうが快適で、冬は太陽の光が室内に入ったほうが快適です。夏と冬で正反対ですが、夏は日当たりが悪くて、冬は日当たりが良い部屋??そんなお部屋はあるのでしょうか?

 快適な部屋 = 夏は太陽光が部屋に入らない、冬は太陽光が部屋に入る




①壁面日照時間

 太陽が東の地平線から顔を出し、西の地平線に沈むまでの時間は、地球上の場所や季節で計算が出来ます。同じように、東を向く壁、南を向く壁の日照時間もわかります。実際には壁面に対して垂直の位置から、太陽が-90度または90度になるまで日射はありますが、垂直の位置から離れるほど、太陽光は室内へ十分届かなくなります。北緯35度で障害物の影響を考えない場合、壁面日照時間は下表のようになります。

  夏至 春分・秋分 冬至
南面 7時間 12時間 9時間30分
北面 7時間30分 0分 0分
東面・西面 7時間15分 6時間 4時間45分
南東面・南西面 8時間 8時間 8時間
北東面・北西面 6時間30分 4時間 1時間30分


 快適な部屋 = 夏は太陽光が部屋に入らない、冬は太陽光が部屋に入る
       = 夏は壁面日照時間が短くて、冬は壁面日照時間が長い
       = 夏至が7時間、冬至が9時間30分
       = 南面

 壁面日照時間を参考にすることで、南面が一番快適で、次に南東面、南西面が快適であることがわかりました。次は、個別の向きについて、学生さんの生活を絡めて考えていきます。




②ベランダが東を向いているお部屋

 東面の壁面日照時間は、夏なら7時間、冬なら4時間45分です。でも、日が当たるのは朝からお昼までで、直接お部屋に太陽光が届くのはもっと短い時間になります。お部屋が暖まるには、ベランダの窓ガラスから太陽光が入り込み床を暖めたり、暖められた外壁から室内へ熱が伝わる必要があります。しかし、東面はこれらの条件に当てはまりません。つまり、お部屋の温度が上がらない寒い部屋ということになります。また、お部屋が暖まらない場合、室内の空気が膨張することがありません。自然に湿気を室外へ排出することもありません。強制的に換気を行わなければ、湿気を溜め込んでしまうことになります。埃が溜まっている所に湿気があればカビが生えやすい環境になってしまいます。
 東面のお部屋は、暖かくなりにくく、換気をしなければカビが生えやすい部屋であることがわかりました。毎日早くから起きて、換気をして洗濯物を干して、気持ちの良い朝を送るお母さんには最適です。しかし、朝起きてすぐに学校へ行き、夕方帰ってきて換気をする暇もない、山口県立大学生にはおススメできないお部屋かもしれません。
 以下に、気象庁のHPより関東地方の都市における2010年夏季の1時間ごとの気温変化を表した表を示します。日の出である6時頃から太陽光で暖められて、約7時間後に最高気温となっています。室内を暖めるには、お昼から夕方までの時間、日照があるのがベストのようです。




②ベランダが南、南東、南西を向いているお部屋

 壁面日照時間の章で、一番快適な部屋は南面にベランダがある部屋であることがわかりました。しかし、道路は東西南北にきれいに走ってはいません。アパートの敷地もきれいな四角ではありません。道路に沿って、敷地にあわせて、アパートが建設されています。ベランダが南を向いている部屋はとってもいいお部屋ですが、実際には見つけるのも大変なお部屋です。
 そこで、次に快適な南東、南西のお部屋が注目されることになります。お部屋を探すときに、南東、真南、南西向きであれば、選択肢がグーンと広がります。南東と南西では、太陽光がお部屋に差し込む時間が少し違います。南東は午前中が長く、南西は午後が長くなります。あまり大きな差はありませんので、自分の生活に合わせて選択をすれば大丈夫です。




③ベランダが西を向いているお部屋

 「西日が当たる部屋は暑いからダメ」って言われた事はありませんか?
 壁面日照時間を見ると、気温の上がる午後に夏だと7時間も日照があります。一方、冬は4時間45分しかありません。快適な部屋の公式とは反対のようです。夏は暑く、冬は普通に寒いお部屋です。しかし、東を向いている部屋とは反対で、お部屋は暖かくなります。つまり、室内の温度が上がり空気が膨張して、湿気が室外へ排出される、カビの生えない・生えにくいお部屋であることがわかります。朝、学校に行って、アルバイトをして、夜家に帰る学生さんには快適なお部屋かもしれません。忙しくて、なかなか掃除や換気が出来なくてもカビが生えにくい特徴があります。朝から家事をしているお母さんにとっては、西日は暑くて暑くてたまらないと思います。でも、山口県立大学の学生さんは、西日の当たる時間にお部屋にはいません。多くの場合、学校で授業を受けています。休日にお部屋でゆっくりしていると、夕方は暑くなりますが、すこしおおめに見ることにしませんか?
 また、山口市は盆地で、夏は蒸し暑くて冬は凍えるようです。夏の暑さは、窓を開けて空気の入れ替えをして、エアコンをかければ快適に過ごせます。その理由は、暖かい空気は天井の近くに、エアコンの冷たい空気は床の近くに留まり、自分たちは床の近くに座ったり、寝転んだりしているからです。一方、山口の冬は底冷えします。暖かい空気は天井の近くに、冷たい空気は床の近くに留まり、自分たちは床の近くに座ったり、寝転んだりしているから、余計に寒くなります。そこで、「こたつ」が大活躍です。エアコンの暖かい空気は天井に留まるので、寒い足元を暖めてはくれないからです。冬に、西日でお部屋が暖まるとあったかい気持ちになれます。
 山口市の山口県立大学生を対象にした場合、南向き、南東向き、南西向きのお部屋がないときは、西向きのお部屋がおススメです。




④ベランダが北を向いているお部屋

 夏は壁面日照時間が7時間あります。でも、春・秋・冬の壁面日照時間は0時間です。太陽は夏は東と西を結ぶ線より北側に、冬は南側を通ります。そのため、夏のほうがお昼の時間が長く冬は短くなります。夏は太陽が北側を通るので日照時間がありますが、朝早い時間と夕暮れ前しか日照がありません。日照時間は長いのですが、室内を暖めたりするほどの日照はありません。つまり、お部屋が暖まらない寒くてカビの生えやすいお部屋です。東向きのお部屋と同じ特徴を持っています。
 しかし、一戸建ての場合だと子供部屋は北側に作ります。一体どうしてなんでしょうか?その理由は目に優しいお部屋だからです。なぜ、目に優しいのでしょうか。それは、北側からは直射日光ではなく天空光が入るからです。直射日光であれば、明るい時、暗い時で明確な差が生じます。天空光であれば、明るい時や暗い時の差がなく、穏やかな、一日中安定した光になります。